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おいしい国産情報が探せる・見つかる

日本の「おいしい!」をさまざまな切り口でお届けしていきます。

2016年8月16日

「国産」に精通する3人のFANバサダーが順番に、おいしい国産情報を紹介していきます。

旅する野菜 〜金時草~
加賀野菜を受け継ぐ里山の知恵

夏の加賀野菜「金時草」を訪ねました。

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加賀野菜「金時草」

畑をバックに金沢市のみなさん、西さんと!
畑をバックに金沢市のみなさん、西さんと!

現在、金沢市に認定されている加賀野菜15品目の中でも特に親しまれている「金時草」。葉の裏が金時芋のような赤紫色をしていることからこの名が付いたそうですが、もともとは熊本の「水前寺菜」。大正時代、北前船に乗ってはるか九州から旅してきました。同じ仲間の野菜としては沖縄の「ハンダマ」もあり、どうやら南方から海を越えて金沢の地に根づいたのですね。
金沢市農業振興課(加賀野菜担当)の富川さんと千田さんに案内していただき、金時草生産者・西佐一さんの畑へ。
市の「農の匠」に認定されている西さんの畑は、市内花園地区、標高100mの中山間地、軽トラで林道を分け入った山にありました。

「農の匠」西佐一さん
「農の匠」西佐一さん

金時草は葉の鮮やかな赤紫色が命!高温だと、色が抜けやすくなるため、日暮れが早く地温の下がりやすい里山が適しているそうです。
また夜露を含んでピンと張った葉の色つやを保つため、収穫は毎朝4時から5時にかけて。「山の畑まで通うのは大変ではないですか?」思わず尋ねると、
「ほんなもん〜、西陽の当たるような畑で作りたないわいね」。父の代からこの地で金時草だけを作り続けている西さんは、大きな目をぱちくりさせておっしゃいました。

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天然の貯蔵庫「室」

帰り道、おもしろそうな洞窟を発見!これは「挿し木」で増やす金時草の苗を雪から守り、冬を越すための「室」です。
外気の影響を受けないため、夏はひんやり、冬は温かいのです。
金沢には加賀藩の時代から、冬の氷を夏の間貯蔵する「氷室(ひむろ)」がありますが、夏は冷蔵、冬は保温になる天然の貯蔵庫ですから同じ原理です。
数年前から室での挿し木はハウス栽培に切り替わりましたが、山の側面にいくつも「室」の跡を見ることができました。自然界の力すごい!それをうまく活用する生産者もすごい!これぞ日本の農業遺産〜!
金時草の色素はポリフェノールなど健康に役立つ成分が含まれていますが、加賀野菜の力は、こうした地域の気候と、それを活かす里山の人々の知恵があってこそなのですね〜。

今号のFANバサダー
MsKotani
小谷 あゆみ

兵庫県生まれ、高知県育ち。
関西大学文学部卒業。石川テレビを経てフリーアナウンサー/農業ジャーナリスト。現在、NHKEテレ介護番組司会。
野菜を作るアナウンサー「ベジアナ」として農ある暮らしの豊かさを提唱。
「1億総プチ農家」を掲げて講演活動。日本じゅうの農山村と食べものを取材。
農林水産省 食料農業農村政策審議会/部会委員