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2014年8月28日

とれたてトマトがジュースに? トマトジュースの製造工場へ潜入しました!

今回は、国産トマトを使ったトマトジュースを製造するカゴメ那須工場に潜入取材しました。今年の夏とれたての国産完熟トマトを使った数量限定のトマトジュースも紹介します。

トマトジュースの工場見学、たのしみです~!(こくさん)
トマトジュースの工場見学、たのしみです~!(こくさん)

トマトのおいしさを最大限に引き出す加工技術

まっかな服がとってもかわいいです~!(こくさん)
まっかな服がとってもかわいいです~!(こくさん)

そもそも日本のトマトジュースは昭和8年にカゴメが初めて開発したもの。当時は斬新な飲み物だったそうです。あれから81年、少しずつ進化しながらずっと親しまれ続けています。このトマトジュースを製造するカゴメ那須工場は、昭和36年にカゴメが各地に工場を建設するさきがけとして設立されたそうです。敷地面積は約141,000平方メートル、東京ドームの約3倍の広さ!いまでもカゴメの国内最大の工場なのです。

工場に到着すると、真っ赤なユニフォームを着た女性がお出迎えしてくれます。そして、いよいよ工場内へ。

収穫した大量のトマトが工場に運ばれ、次々と洗浄ラインへ
収穫した大量のトマトが工場に運ばれ、次々と洗浄ラインへ

まずは収穫されたばかりのトマトのケースが次々と運ばれ、トマトを生産ラインへ投入。たっぷりの水の中を流しながら繰り返し洗浄します。大量のトマトが水の中を流れる様子は、お祭りの屋台で水に浮かぶスーパーボールみたいですね。

熟練した人たちが目と手でチェック
熟練した人たちが目と手でチェック

次はきれいになったトマトを選別。人間が目と手でキズや完熟度をチェックし、よいものだけを厳選します。機械での検査はもちろん、手作業でのチェックも大切なのです。

こうやって運ばれていったものがお店で売られるですね~!(こくさん)
こうやって運ばれていったものがお店で売られるですね~!(こくさん)

次は破砕、搾汁。細かく砕いたトマトは、カゴメが世界に誇る特許技術『RO(逆浸透圧)濃縮技術』で熱を加えずに濃縮するため、とれたての色と風味を活かすことができるそうです。トマト本来のおいしさをそのままジュースにするのは、こうした高度な技術力があるからこそ実現できるのですね。
調合、殺菌、冷却を経て、できあがったジュースがいよいよ缶や紙パックに充填されます。工場にある高速充填機1台で、1分間に200mlの紙パックをなんと120個分も充填・密封するハイスピード!

最後の品質検査を行い、それに合格した商品だけが箱詰めされ、出荷されていきます。こうして安心・安全でおいしいカゴメトマトジュースが私たちのもとに届くわけです。

今年の夏とれたて国産完熟トマトのジュースが登場!

カゴメ那須工場の工場長・小松剛さん
カゴメ那須工場の工場長・小松剛さん

トマトの加工工程を案内していただいたので、今度は原料のトマトについてお聞きしてみましょう。ジュース用のトマトは生食用のトマトよりかなり赤いですが、どんな品種なのでしょうか?工場長の小松剛さんにおうかがいしました。

「弊社の研究開発本部は7,500種類以上の種子を保有しています。そこでジュース用に適したものを選び出し、新たに開発されたのが『凛々子(りりこ)』という品種です。現在カゴメで使用しているジュース用国産トマトはすべて『凛々子(りりこ)』になります。『凛々子』の名前はイタリア語でみずみずしさを表す“Lyrico”と、トマトに含まれる“Lycopene(リコピン)”を合わせたのが由来なんです。

『凛々子』っていう名前も、まっかな色とまるい形もかわいいです~!(こくさん)
『凛々子』っていう名前も、まっかな色とまるい形もかわいいです~!(こくさん)

『凛々子』は生食用のトマトより赤みが強く、リコピンを豊富に含んでいます。酸味と甘みのバランスがよく、果肉までしっかり真っ赤になるのが特徴ですね。現在は栃木、茨城、新潟を中心に約800軒の契約農家で栽培し、約2万トンを収穫しています」

今年の夏、これらの契約農家で収穫された、とれたての『凛々子』のみを使用した『カゴメトマトジュースプレミアム』を新発売。8月5日に“トマトヌーヴォー解禁”と称して一斉出荷しました。

左から紙パック(200ml)スマートPET(720ml)ホームパック(1000ml)
左から紙パック(200ml)スマートPET(720ml)ホームパック(1000ml)

真夏の2~3週間が収穫のピークで、その間に収穫されたものだけを使用するため数量は限定。収穫が終われば商品の販売も終了してしまいます。しっかり完熟したものだけを選び、収穫されたものはすぐに工場に運び、加工の際には香りを逃がさないように搾ってからすばやく充填しているそうです。

トマトの味と香りがしっかり!
トマトの味と香りがしっかり!

飲んでみると、トマト本来の味わいがしっかり感じられ、それでいてサラサラっと軽いのどごしで、とってもおいしいです。これなら何杯でも飲めそう!

「昨年の夏にテスト販売したところ味のよさが認められて非常に需要が高かったため、今年の夏に本格的に販売を開始しました。来年以降も継続していこうと考えています」(小松工場長)

ジュース用トマトの国内産地拡大で農業を支えたい

『凛々子』は支柱を使わず地面に這わせて栽培し、ひとつひとつ手で収穫する
『凛々子』は支柱を使わず地面に這わせて栽培し、ひとつひとつ手で収穫する

カゴメは創業者が農家出身だったことから、農家の方の安定した経営の実現に向けていち早く農家との契約栽培を始め、日本の農業再生に取組んでいるそうです。そのこだわりのひとつが“フィールドマン”というカゴメの社員であり畑のスペシャリストでもあるスタッフ。“畑は第一の工場”という考えのもと、栽培の研究や管理を契約農家に任せきりにするのではなく、農家の人々と一緒になってよりよいトマトづくりに携わっているそうです。
また、新入社員は研修の中で必ずトマトの収穫を体験するそうです。これも農業を大切に考えているカゴメの企業姿勢の表れですね。

カゴメの“フィールドマン”も毎日のように畑に足を運び、農家の人たちと栽培についてとことん話し合う
カゴメの“フィールドマン”も毎日のように畑に足を運び、農家の人たちと栽培についてとことん話し合う

「現状、契約農家で収穫できる国産トマトは約2万トンで、カゴメが確保しているジュース用トマト全体の半分ほどです。これをもっと増やしていき、国内産地を大幅に拡大したいと考えています。それには、さらに契約農家を増やしたり、契約している畑の拡大を図るなどして生産力を上げていかなければなりません。国産化によって国内の農業生産者の方々を支援できるし、消費者の皆さんにはおいしくて安心・安全な商品を提供できる。これが私たちの目指すところです」(小松工場長)

“土から食卓まで”すべてを責任を持って携わっているカゴメならではの、農業への真摯な取組を感じることができました。
最後に消費者のみなさまへひと言、お願いします。

『凛々子』は生食用トマトよりリコピンが豊富な上、ジュースで摂取するとさらにたくさんリコピンを摂取できる
『凛々子』は生食用トマトよりリコピンが豊富な上、ジュースで摂取するとさらにたくさんリコピンを摂取できる

「トマトは世界中で食べられている野菜ですが、日本での消費量は1人あたり年間約8kgで世界平均の20kgの半分以下なんです。生のまま食べるのもいいですが、ジュースや料理に使った方がたくさん摂取できるし、油と一緒に摂取することでリコピンの吸収力も上がります。リコピンは抗酸化作用を持っていて、最近では美容の研究も進んでいるので、もっといろいろな方法でトマトを食べてほしいですね。それが健康長寿につながり、さらに日本の農業を支える役割も果たすことになるのですから」(小松工場長)

どんなトマトをつくっているのか、どんなふうに加工するのか。どれだけ国産トマトにこだわっているのか、とても勉強になりました。カゴメのWebサイトでレシピを公開しているということなので、さっそくトマト料理をあれこれ試してみたいと思います。
レシピの詳細はこちらをご参照ください。
http://www.kagome.co.jp/recipe/search/index.html

(Mogu・Maga編集部)
取材協力:カゴメ