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おいしい国産情報が探せる・見つかる

日本の「おいしい!」をさまざまな切り口でお届けしていきます。

2月20日

「国産」に精通する4人のFANバサダーが順番に、おいしい国産情報を紹介しています。

~食べて識る加賀野菜の魅力 ~
〜源助だいこん〜 伝統野菜の種に秘められた物語

金沢の伝統野菜「加賀野菜」の魅力を一般の方々にも知ってもらおうと、金沢市の主催で「食べて識る金沢〜冬の味覚・源助だいこん」と題したランチとトークのイベントが東京・銀座で開かれました。

トークイベントへ参加された皆さん
トークイベントへ参加された皆さん

源助だいこん生産者のお二人と
源助だいこん生産者のお二人と

源助だいこんの生産者のお二人、JA金沢市砂丘地集出荷場大根部会の清水宣幸副部会長と、馬田康弘さんをお迎えして、わたしくし野菜を作るアナウンサー「ベジアナ」が本イベントのナビゲーターを務めました。
大根のイラストと「源助だいこん“GENSUKEDAIKON”」の文字が描かれたおそろいのTシャツで登場した源助だいこん生産者のお二人。一時は作り手が少なくなっていましたが、現在16人の生産者がいます。

ずんぐり太くて短く、ころっとかわいい形の源助だいこん」
ずんぐり太くて短く、ころっとかわいい形の源助だいこん

そもそも源助だいこんとは?青首だいこんよりもずんぐり太くて短く、ころっとかわいい形をしています。肉質がきめ細やかで煮汁がよく染みるため、煮物に最適ですが、表面がひび割れやすいという特徴があります。そのため、栽培から収穫、出荷まで気を遣っても、1割近くロスが出るというくらい繊細な大根です。

源助大根の部会長さんと
源助大根の部会長さんと

源助だいこんの生みの親は金沢の篤(とく)農家松本佐一郎さん。篤農家とは熱心で研究心に富んだ農業家のことを指して、もともと愛知県の井上源助さんが育てていた品種を譲り受け、10年かけて金沢の品種と自然交配を重ね、昭和17年にようやく完成しました。それほどの苦労と歳月をかけて品種改良した大根に、松本佐一郎さんはご自分の名前ではなく、愛知の源助さんの名前を付けました。それが「源助だいこん」です。後世に名を残す日本人の美しさを見た気がしました。
な~んて話をしているところへ、源助だいこんの部会長さんがやってきました。なんとあの松本佐一郎さんのお孫さんだというではありませんか!ちょうど別のキャンペーンで金沢から東京へ来ていたそうで、びっくりサプライズでした~。

源助だいこんを使用したぶり大根
源助だいこんを使用したぶり大根

昭和17年といえば、今から75年前。ずいぶん昔のようでしたが、わずか2世代前のおじいちゃんの話です。
そして松本部会長は、「源助だいこん」は、またの名を「打(うつ)木(ぎ)源助大根」と言い、打木地区の名前を付けて、地域のみんなで守り、生産を継承しているんですとも話してくれました。松本部会長もまた、地域への感謝を大切にする考えの持ち主でした。
いま、全国各地で伝統野菜が見直され、在来種を受け継ぐ動きが広まっています。農業は生産性、経済性だけでは測れません。伝統野菜の小さな一粒の種の中には、地域の多様な文化や人々の思いが詰まっています。昨年は金沢市で「全国伝統野菜サミット」が開かれました。山形や熊本、東京からも生産者が集まり、多様な種を継承することが、日本の食を豊かに未来へつなぐ一歩になると話し合われました。
伝統野菜の多くが大量生産ではないため、その土地に行かないと食べられないものがほとんどだからこそ、地域を旅してその土地の気候風土の中で味わうのが伝統野菜を食する醍醐味なのではないでしょうか。

今月のFANバサダー
小谷 あゆみ

兵庫県生まれ、高知県育ち。
関西大学文学部卒業。石川テレビを経てフリーアナウンサー/農業ジャーナリスト。現在、NHKEテレ介護番組司会。野菜を作るアナウンサー「ベジアナ」として農ある暮らしの豊かさを提唱。
「1億総プチ農家」を掲げて講演活動。日本じゅうの農山村と食べものを取材。
農林水産省 食料農業農村政策審議会/部会委員