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2014年11月28日

黒豆なのに枝豆!? 丹波篠山の黒枝豆収穫体験に参加しました!

おせち料理に欠かせない黒豆の産地として有名な兵庫県の丹波篠山。ここの畑で行われる黒枝豆の収穫体験を取材してきました。

収穫体験の参加者が勢揃い!「ボクもまん中にいるです~」(こくさん)
収穫体験の参加者が勢揃い!「ボクもまん中にいるです~」(こくさん)

大きくておいしい丹波篠山の黒豆『丹波黒』

黒豆は大豆の一種で皮が黒く、黒大豆とも呼ばれます。この黒豆の産地・丹波篠山は、兵庫県と京都府の県境近く、周囲を山々に囲まれた豊かな土壌がある寒暖差の激しい盆地地域で、日本一の黒豆といわれる『丹波黒』発祥の地です。『丹波黒』の特徴は、粒が丸く大きいこと。一般的に開花してから実が熟すまで大豆は約60日、通常の黒豆は約70日なのに対して、約100日間も熟成させて大きく育てます。この間にうま味が増して、高品質な黒豆となるのです。
『丹波黒』は長い栽培期間が必要で天候による影響をとくに受けやすく手間がかかるため、生産者からは“苦労豆”と呼ばれているそうです。

1株でこれだけの黒枝豆ができます
1株でこれだけの黒枝豆ができます

それだけに、丹念につくられた『丹波黒』は日本を代表する貴重なブランド豆といえます。ところで、枝豆と大豆の違いは知っていますか?枝豆は大豆の未成熟な豆のことで、成長すると大豆になります。『丹波黒』もおせち料理の高級な煮豆としては有名ですが、豆が熟成しきって黒くなる前に収穫すると、黒枝豆として食べられます。通常の枝豆にくらべてボリューム感と独特のコク、甘みがあり、おいしさも格別。この地域ではどの家庭でも食べられているようです。今回収穫するのもこの黒枝豆です。

苗を植えた黒枝豆を自分たちで収穫!

「どれくらい黒枝豆が収穫できるか、楽しみです~」(こくさん)
「どれくらい黒枝豆が収穫できるか、楽しみです~」(こくさん)

『丹波篠山 黒枝豆収穫体験ツアー』と題して収穫イベントを実施したのはフジッコ。これまで豆は加工したものしか見たことがないという子どもたちが多いことから、親子でコミュニケーションを図りながら黒豆に触れたり、生育過程を学ぶ機会を提供しようと始めたプログラムで、今年で第6回を迎えます。

6月に作付けしてからの生育の様子について、説明を受けます
6月に作付けしてからの生育の様子について、説明を受けます

参加者は、小学生とその保護者25組50名で、すでに6月に種まきと作付け(苗を植えること)を体験しており、今回は自分たちでその黒枝豆を収穫するために集まってきました。

小多田生産組合顧問の小島琢彌さん
小多田生産組合顧問の小島琢彌さん

まずは地元の生産組合の顧問・小島さんより、黒大豆の成長についての報告です。「今年は8月の台風11号で根が傷んで、いったん生育がとまってしまいました。人間の努力だけでは防げないこともあるのです。でも、一部は枯れてしまったものの、台風にも負けずにしっかりと実をつけてくれました」と小島さんが説明してくれました。

いよいよ収穫開始。子どもたちは泥んこになりながら目を輝かせて畑の中に入っていき、まもなく「こんなに採れたよ~!」と大きな株を持ち上げる姿が。みんな1株に黒枝豆がぎっしりついていること、その豆粒が大きいことに驚いていました。
収穫した後は、株から“さや”を一つひとつ取って袋詰めしていきます。手間のかかる作業ですが、袋がいっぱいになるとどの子も嬉しそうに袋を抱えていました。

「たくさん収穫できてスゴイです~」(こくさん)
「たくさん収穫できてスゴイです~」(こくさん)
「こんなに採れたよ~!」とうれしそうな子どもたち。株から一つひとつ黒枝豆を切り取るのも、たいへんだけど楽しそうです
「こんなに採れたよ~!」とうれしそうな子どもたち。株から一つひとつ黒枝豆を切り取るのも、たいへんだけど楽しそうです
採れたての黒枝豆に「おいしい~!」の声

自分たちで収穫した黒枝豆をさっそく「いただきます!」
自分たちで収穫した黒枝豆をさっそく「いただきます!」

収穫、袋詰めが終わると、お楽しみのランチタイム。自分たちが収穫した黒枝豆の一部が、さっそく調理されます。メニューは黒枝豆ご飯と塩ゆでした黒枝豆、そして篠山の特産のひとつでもある猪を使った猪汁。子どもたちも、採れたての黒枝豆のおいしさはちゃんと分かります。あちこちから「おいしい~!」「おかわり!」の声が聞こえてきました。

「たくさんおかわりしたですか~?」(こくさん)
「たくさんおかわりしたですか~?」(こくさん)

子どもたちと一緒にいただいてみると、黒枝豆はもっちりしていて豆本来の深い味と甘みがあって、とてもおいしかったです!
「株を切るのが硬くてたいへんだった」「豆粒が大きくてびっくりした」「たくさん枝豆がついていて株が重かった」「いつも食べている枝豆よりずっとおいしい」「種まきしてから今日まで天気が気になった」など、子どもたちも『丹波黒』の種まきから苗を植えて収穫して食べる…という貴重な体験の中で、いろいろな発見をしたようです。

黒枝豆ご飯、塩ゆでした黒枝豆、猪汁
黒枝豆ご飯、塩ゆでした黒枝豆、猪汁
工場見学で“手より”にも挑戦!

『小田垣商店』では『丹波黒』がどのように出荷されるかを教えてもらいます
『小田垣商店』では『丹波黒』がどのように出荷されるかを教えてもらいます

お腹がいっぱいになったところで、『丹波黒』がどのようにして出荷されていくのかを見学するため、豆の卸小売業を営む老舗『小田垣商店』へ。ここでは黒枝豆の時期に収穫しないで黒豆として熟成させたものを問屋・メーカーなどに出荷しています。

収穫したばかりの黒枝豆は緑色で、やがて ピンクがかった色から紫色、そして最後は 黒くなるそうです
収穫したばかりの黒枝豆は緑色で、やがて
ピンクがかった色から紫色、そして最後は
黒くなるそうです

まずは、“さや”に入っている『丹波黒』の色の変化を教えてもらいました。この日に収穫したものは豆が緑色、1~2週間後はピンク色に、さらに1~2週間で紫色に、そして11月に入ると完全に黒色になり、形もだ円からまん丸になっていくのです。

ふるいにかけて大きさや形、異物を選別します
ふるいにかけて大きさや形、異物を選別します

また、一粒が大きいため、1つの“さや”に1つか2つしか豆が入っていないものがほとんどだそうです。

人の手と目で素早く選別します
人の手と目で素早く選別します

工場では、機械による選別を見学。ここで豆の大きさや形、異物混入などを見分けます。次に昔ながらの伝統的な“手より”を行います。熟練の職人たちが目と手でサイズが合わないものや変形しているものをより分けていくのです。
ここで合格したものは黒豆として出荷されますが、規格外のものもきな粉やお茶などに加工されるため無駄にはなりません。

キズのある豆のより分けに子どもたちも挑戦!
キズのある豆のより分けに子どもたちも挑戦!

“手より”の作業の説明を受けた後、子どもたちも実際に挑戦。傷があったり、割れているものを選ぶ作業に、みんな真剣な眼差しで取り組んでいました。
こうして収穫から出荷までを知ることができた子どもたちは、きっと食材に対する意識が深まったのではないでしょうか。

国産の黒豆のおいしさを味わおう!

「この『丹波黒』が問屋さんやメーカーさんに出荷されるです~」(こくさん)
「この『丹波黒』が問屋さんやメーカーさんに出荷されるです~」(こくさん)

古くから黒豆は日本人にとって縁起物として親しまれてきました。諸説あるようですが、『丹波黒』は江戸時代中期に江戸幕府に献上され、江戸中に広まったともいわれています。

黒豆はおせち料理だけでなく、普段のおかずやデザートなど、いろいろ使えるので、もっと手軽に食べてみましょう
黒豆はおせち料理だけでなく、普段のおかずやデザートなど、いろいろ使えるので、もっと手軽に食べてみましょう

しかし、現代では黒豆はおせち料理以外ではあまり食べられていないのが現状です。通常の大豆と同じようにたんぱく質が豊富で、健康にもいいとされているので、もっと積極的に食卓に取り入れてみませんか?
私も取材を通して子どもたち同様、とてもいい勉強になりました。フジッコのWebサイトでは、作付け体験やおせち料理教室の様子なども紹介されていて、レシピも公開されているということなので、黒豆料理にもチャレンジしてみます!

作付け体験・おせち料理教室の紹介やレシピの詳細はこちらから。
http://www.fujicco.co.jp/know_enjoy/shokuiku/voice/

(Mogu・Maga編集部)
取材協力:フジッコ小田垣商店